2026年10月30日
ごほうびなしのやる気づくり:チームゲームでクラスを動かす
お菓子や景品なしでクラスのやる気を引き出す方法。チームの得点、スコアを隠す、協力型ゲーム、ほめ方のルーティン、全員が参加しつづける横取りルール。
お菓子や小さな景品は、しばらくは効きます。でもそのうちお金がかかるようになり、やめてほしいと思う保護者や学校もあり、児童・生徒はどの活動の前にも「何がもらえるの?」と聞くようになり、毎週同じ数人がもらっていきます。ごほうび箱を試したことのある先生なら、それにしばられてしまう感覚を知っているはずです。
いい知らせがあります。チームゲームでは、ゲームそのものがごほうびです。大画面の得点、拍手の時間、最後の問題での逆転、そしてチームワークに気づいてくれる先生。たいていのクラスはそれで十分です。うまくいかせる方法を紹介します。
得点で十分(意味があるなら)
児童・生徒が大事にするのは、目に見えて、公平で、自分たちがしたことにつながっている得点です。1つの画面で遊ぶチームゲームには、その3つがそろっています。得点は画面に出ていて、ルールはどのチームにも同じで、得点はすべて正解から生まれます。
得点の力がなくなるのは、こんなときです。
- いつも同じチームが勝つ。 5問目で結果がわかってしまうと、ほかのチームはがんばるのをやめます。チームのバランスをとり(チームをすばやく公平に分ける方法を参照)、点差が開きにくいゲームを選びましょう。
- 取り戻せない得点。 まちがえるたびに1点減ると、弱いチームは0点まで沈んであきらめてしまいます。Olyの「不正解で1点減点」は初期設定でオフです。ほとんどのクラスではオフのままにしましょう。どのみち、得点が0より下になることはありません。
- 態度の得点と答えの得点がまざる。 うるさいから点を引く、点を足す、というのはつい使いたくなります。一度は効きますが、そのあと得点は意味をなくします。ゲームの得点はゲームのためだけに使い、態度には別の方法で対応しましょう(一時停止がよく効きます。下を参照)。
全員が希望を持てるゲーム
最下位のチームにも本当のチャンスがあるようにつくられたゲームがあります。
- ペーパーレース:最下位の車は1マスではなく2マス進むので、大きく引き離されるチームがありません。
- ラッキールーレット:正解するとルーレットが回り、1つのマスで1位と得点が入れかわります。トップがよく入れかわります。(トップをとられるとクラスがつらくなりそうなら、入れかえはオフにできます。)
- タイルめくり:星、マグネット、ラッキーな箱で、1ターンで順位が変わることがあります。
- ボウリング、ミニゴルフ、PKチャレンジ:正解したチームが、安全なショットかリスクのあるショットかを選びます。星のレーンはピンの数が2倍、カップに入れば5点、上のすみは2点ではなく3点(バーに当たらなければ)。負けているチームは大きな点数をねらえます。
どんな景品よりも、希望がやる気を生みます。まだ勝てるチームは、最後の問題までがんばります。
スコアを隠す
低学年や、勝ち負けにこだわりすぎるクラスなら、スコアを隠してみましょう。Olyでは準備OKページの設定1つで、ゲームの途中でも⚙︎から切りかえられます。ゲームはそのまま進みます(タイルが開き、車が進み、タワーが伸びる)が、だれがリードしているかはだれにもわかりません。
意外なほど何も変わりません。児童・生徒はいい答えに歓声をあげ、自分の番を待ちわびます。なくなるのは、最下位チームのふてくされた顔と、最後の「負けた」だけです。スコアを隠すのは、新しいクラスとの最初のゲームにもぴったりです。そのクラスが競争にどう向き合うか、まだわからないときに。
対戦ではなく、いっしょに
とにかく競争心が強すぎるクラスもあります。どのゲームも言い争いで終わり、負けたチームが本気で傷つく。そんなクラスには、クラス全体が同じ目標をめざす協力型のゲームを試してみましょう。
うみのタワーでは、海が上がってくる中、クラス全員で島に1つのタワーを建てます。チームは順番に答えますが、正解するたびに、そのチームの色の階が同じタワーに2つ増えます。問題のたびに海が上がり、まちがえるともっと速く上がります。てっぺんがぬれずに残ればクラス全員の勝ち、水がてっぺんまで来たら今回は海の勝ちです。
教室の様子を見てください。どの階も役に立つので、チームがおたがいの答えを応援します。難しい問題の前に、タワーの横の数字を読み上げれば(「海まであと3階。1回まちがえても大丈夫?」)、クラス全員が身を乗り出します。負けても、同じセットでもう一度遊びましょう。2回目は勝てることも多く、クラスは自分たちの成長を実感します。その気持ちは、シールよりずっと価値があります。
お金のかからないほめ方のルーティン
その場で数秒、ちょうどいいほめ方をするほうが、最後の景品よりずっと効きます。チームゲームで使えるルーティンをいくつか:
- スターではなく、チームをほめる。 「チーム2は、ひそひそ相談して、答える前にちゃんと決めたね。それがいいやり方です」。全員にしてほしい行動をほめることになります。
- 過程を言葉にする。 「はるとさんはわからなかったけど、チームに聞いて正解できたね」。助けを求めることもゲームの一部だと、クラスに伝わります。
- 逆転には、クラス全員で拍手。 最下位のチームが得点したら、全員で1回拍手。小さなことですが、児童・生徒はよく覚えています。
- 最後に「ベストチームプレーヤー」。 各チームが、仲間を助けたチームメイトを1人選びます。景品はいりません。クラスの前で名前を呼ばれることがごほうびです。
- クラス自身の記録。 クラスの正解数を黒板に書きます(「今日:18問中14問」)。次は、ほかのチームではなく、自分たちの記録をこえることをめざします。
Olyのまとめ画面はここで役立ちます。表彰台と正解の数が出るので、それを指さして、勝ったチームだけでなくクラス全体をたたえられます。
横取り:全員を参加させつづけるルール
チームゲームでいちばんやる気をなくさせるのは、することがないまま待つことです。横取りルールがそれを解決します。Olyで「まちがえた問題をほかのチームが横取りできる」をオンにすると、まちがえたあとも問題が開いたままになり、ほかのチームが答えられ、先生はスマホで正解したチームをタップします。そのチームはターンのごほうび(タイル、ルーレット、シュート)をまるごともらえますが、追加のターンはありません。
これで、どのチームにも、ほかのチームの問題もふくめてすべての問題を考える理由ができます。おとなしいチームには得点のチャンスが増え、自分の番でないときに集中が切れる子もいなくなります。
コツをいくつか:
- だれが横取りするかのルールを決める。 「チームで手を挙げて。ひそひそ相談で最初に答えがまとまったチームを先生が選びます」。決めておかないと叫び合いになります。
- 順番制のゲームで使う。 ベルをならせのように、もともと全チームがすべての問題に答えるゲームでは、横取りするものがありません。
- とても低い学年では、最初は使わない。 まず基本のゲームを覚えて、次の回で横取りを加えましょう。
罰の代わりに一時停止
騒がしくなりすぎても、点を引きたくなる気持ちはがまんしましょう。代わりにスマホで一時停止をタップします。大画面に一時停止の画面が出て、何も動かなくなります。クラスは、落ち着いたときだけゲームが続くことをすぐに覚えます。一時停止はだれにでもわかる結果で、がんばっていたチームの得点をこわすこともありません。
ごほうびなしのルーティン
- バランスのいいチームと、点差が開きにくいゲーム
- 不正解で減点しない
- 横取りはオン、手を挙げるルールつき
- 低学年やとても競争心の強いクラスではスコアを隠す
- クラスがまとまる必要があるときは、うみのタワー
- チームと過程をほめる。各チームで「ベストチームプレーヤー」を1人
- 罰ではなく、一時停止
ルーティンをまとめて知りたいなら、学級経営に役立つ授業ゲームのガイドをご覧ください。またはライブラリからゲームを選んで、スコアを隠して遊んでみてください。


